間伐材マイスターの徒然記

「ウッドマイルズ」の少ない土木用木材

機会があって「ウッドマイルズ」に関する研究会に参加しました。

「ウッドマイルズ」の少ない木材をいかに利用するか……の議論がなされていました。

「ウッドマイルズ研究会」の研究発表会

「ウッドマイルズ研究会」の研究発表会

「土木用木材」の視点からすると、「議論の余地なし」と思える内容も少しありましたが、興味深く拝聴しました。

「建築用木材」の場合、施主や工務店の意向により、国内各地、あるいは全世界から木材・部材が調達されるため、必然的にウッドマイルズが多くなります。

一方、土木用木材に関しては、「近場からの調達」が前提になるように思われます。

杭や矢板等の土木用木材の場合は、「木材としての付加価値」が低く、重量があるため、長距離の輸送には適さない資材と言えます。

U字溝等のコンクリート二次製品と同じように全国各地に製造(生産)拠点があり、地域毎に流通している形が主流です。

土木用木材の在庫状況 (加工済みの丸棒製品を第2木場で保管)

土木用木材の在庫状況 (加工済みの丸棒製品を第2木場で保管)

建築現場で何が起きているのか理解する良い機会になりましたが、「地域密着型木材店」の役割を再認識しました。

≪ 用語解説 『ウッドマイルズ』 ≫

ウッドマイルズとは、ウッド(wood)・マイルズ(milesという字の如く、木材の輸送距離を示します。そして、木材の輸送量(m3)にこのウッドマイルズ(㎞)を掛け合わせた数値を「ウッドマイレージ(m3・㎞)」と呼び、国や世界の木材の総輸送距離という、木材消費の態様を示すマクロな指標として使っています。