間伐材マイスターの徒然記

伊勢神宮の「式年遷宮」に学ぶ

伊勢神宮の式年遷宮が10月上旬に予定され、それに向けた行事が順次行われています。

「世界一展」 伊勢神宮・式年遷宮の展示

「世界一展」 伊勢神宮・式年遷宮の展示

大阪駅北側の「グランフロント大阪」で開催されていた「世界一展」の中で、「伊勢神宮の式年遷宮」が紹介されていて、学ぶことが多いと思ったので紹介させて戴きます。

「世界一展」 伊勢神宮・式年遷宮の展示

「世界一展」 伊勢神宮・式年遷宮の展示

「伊勢神宮・式年遷宮」というと、20年毎に正殿(神殿・お社)を建替え、御神体を遷す儀式ですが、「まだ使える建物を建て替えるなんて、もったいない……」と思われる方が多いと思いますが、そうではないことが紹介されていました。

20年毎に「式年遷宮」を行う理由

20年毎に「式年遷宮」を行う理由

20年に一度、定期的に建替え作業を行うことにより、職人(大工)さんの現役世代中に2~3回の従事機会があり、技術が確実に伝承されることになることが紹介されていました。

「式年遷宮」で使う御用材の伐倒神事(素材生産系の職人の技が必要)

「式年遷宮」で使う御用材の伐倒神事(素材生産系の職人の技が必要)


「式年遷宮」で使う丸柱の加工風景(8角柱から順次「丸柱」に)

「式年遷宮」で使う丸柱の加工風景(8角柱から順次「丸柱」に)

また、遷宮後に解体される旧殿の木材は、全国各地の神社の造営等に再利用されることとなっており、決して無駄にされることはないそうです。
(今回の式年遷宮後は、東日本大震災で神殿を失った神社の造営用にも使われるそうです)

「式年遷宮」で建て込む丸柱を搬入しているところ

「式年遷宮」で建て込む丸柱を搬入しているところ

「伊勢神宮・式年遷宮」という奥ゆかしい事例を取り上げましたが、林業や建築の現場で素材生産の職人さんや建築大工さんの老齢化が進んでいて、技術の伝承が難しくなりつつあることに直面していますが、「伊勢神宮・式年遷宮」のような仕組み作りがあればいいなあと思いました。

「式年遷宮」で建て込む丸柱を立てているところ

「式年遷宮」で建て込む丸柱を立てているところ