間伐材マイスターの徒然記

「薬師寺東塔」の解体修理現場見学記

奈良の薬師寺東塔の解体修理工事(平成21年~平成31年まで約10年間の予定)が進められていますが、修理作業の様子や地上に下ろされた「水煙」「相輪」を見る機会をありましたので、少し紹介します。

「薬師寺東塔」解体修理事業の説明解板

「薬師寺東塔」解体修理事業の説明解板


「薬師寺東塔・水煙降臨展」の入口

「薬師寺東塔・水煙降臨展」の入口

今回の修理工事は、薬師寺創建当時より1300年間現存している塔を全部解体し、基礎部分が空洞となって芯柱の修理等も行う最大規模の修理工事です。
文化財の修理現場見学に度々参加している「間伐材マイスター」にとっても見ごたえのある見学会でした。

 「薬師寺東塔」 最上階層の解体作業の様子 (横)」

「薬師寺東塔」 最上階層の解体作業の様子 (横)」


 「薬師寺東塔」 最上階層の解体作業の様子

「薬師寺東塔」 最上階層の解体作業の様子

まず、平成25年5月に、解体修理工事で瓦を外して、最上階層の解体を進めている状態で見学する機会がありました。
野地板と垂木を外して、最上層階の骨組みが見える状態で、「相輪」や「水煙」を支えている「芯柱」の上部も見ることができました。
また、現場には、あとで見る「水煙」も外された直後の状態で置かれており、このような機会に恵まれたことを感謝しています。

解体修理現場で見た「水煙」 (H25.05)

解体修理現場で見た「水煙」 (H25.05)


また、平成25年11月末には、「東塔」(修理現場)脇の「大工小屋」で開催されていた「水煙降臨展」も見学してきました。
「薬師寺東塔」解体修理の進行状況(H25.11現在)

「薬師寺東塔」解体修理の進行状況(H25.11現在)

5月に解体修理現場で見た「水煙」や「相輪」の展示に加えて、修理用に使われる「修理用材」も展示されており、感慨深く見学しました。

地上で見た「薬師寺東塔・水煙」

地上で見た「薬師寺東塔・水煙」

三重塔や五重塔は、「芯柱」が免震構造の需要なポイントとなっていると言われていますが、「丸柱・円柱巡礼シリーズ」を書いている「間伐材マイスター」は、「相輪」や「水煙」を支えているのも「芯柱」だと再認識させて戴きました。

「薬師寺東塔・相輪」の一部と樹齢約1000年の修理用材(台湾桧)

「薬師寺東塔・相輪」の一部と樹齢約1000年の修理用材(台湾桧)


また、修理用に使われる樹齢1000年という桧材(残念ながら国産ではなく、台湾桧でした)も見学しましたが、このような大・大径木を見る機会に恵まれたことも感謝しています。
樹齢約1000年の「修理用材」(台湾桧)

樹齢約1000年の「修理用材」(台湾桧)